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うちの研究室はここがおかしい!? 理系大学院生の心の声

とある大学の理系研究室に所属する大学院生が、「うちの研究室、ここがおかしくね?」と思ったことをつらつらと書いていきます

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学位論文のゴーストライターをやらされた話

こんにちは、大学院生の工藤です。

私は現在、大学院博士課程の2年で、大学の生命科学系の研究室に所属しています。

(博士課程は基本的に3年で卒業)

これは、私が大学院1年目の時の話です。

当時、うちの研究室に所属していた大学院生Mさんの学位論文を、私が代わりに書きました(ゴーストライター)。

初めは、私自身、それがゴーストライティングであるとの自覚はありませんでした。

しかし、徐々に、それが教授が意図してゴーストライティングを強要しているのだと気付きました。

事の経緯は以下の通りです。

まず、私は教授から研究データ一式を渡され、それで論文を書くように言われました。

研究室を取り巻く状況や、研究のしきたりもよくわかっていない大学院1年目、私はよくわからないまま、言われた通りにデータをまとめ、Figureを作り、論文を書きました。

書いたものを教授に渡すと、添削されて返ってきて、それを受けて修正。

それを繰り返しました。

まさに論文執筆者と指導者の関係。

それ自体は何も問題ありません。

私は最初の頃、

教室が持っているデータで、私に論文を書かせてくれ、

私の経験と実績作りを助けてくれているのかと思っていました。

つまり、研究者志望の私に対する教授の親心みたいなものかと思っていたのです。

今思えば、何という浅はかな考えでしょうか

途中で、だんだんと状況がわかってきます。

教授が、この論文のことを、「(大学院生の)Mの論文」と呼ぶようになります。

Mの学位論文は今工藤君が書いてくれてるから」という発言が飛び出します。

つまり、私が書くように言われた論文を、一文字一句書いていない大学院生のMさんをfirst authorにして、これを彼の学位論文にする、ということです。

どうやら私が最初に渡されたデータ一式は、以前、Mさん、助教の先生、教授、がそれぞれ実験で取ったデータの寄せ集めだったようです。

自分が書いた論文の筆頭著者になれないなんて、馬鹿げた話ですし、嫌だったのですが、

教授はしきりに「このMの論文が出ないと、君の論文は出せないから」と言いました。

Mさんの論文のテーマは、いわば私の研究テーマの先行研究のようなもので、教授としてはMさんの論文がpublishされなければ、私の研究も論文化できない、ということでした。

Mさん自身は論文を書かない(書く能力もなければ書く気もない)。

Mさんは論文を書かないが、彼を退学にしてしまうと教室の(指導者としての教授の)実績に傷がつく。なので教授は私(工藤)にゴーストライティングをさせ、Mさんの学位論文を作る。

私自身は、ゴーストライティングをしてMさんの論文を作らないと、自分の研究を論文化できない(自分の学位論文を書けない)ので、ゴーストライティングするしかない。

という状況。

教授としては、「3年間のうちに自分の研究を論文化して学位を取りたいなら、まずはMさんの論文をゴーストライティングしろ」ということです。

結果、書き上げました。

土日に研究室に行き、他人の論文を必死に書いている時は、「いったいなぜ俺はこんなことをやっているんだ、、、」と絶望的な気持ちになりました。

が、一応書き上げました。

最初に投稿したジャーナルではreject

次に投稿したジャーナルでreviseを経て、なんとかacceptされました。

Mさんがfirst author 、私がsecond、教授がcorresponding author です。

Mさんは学位審査にて、その論文をあたかも自分が書いたかのようにプレゼンし、学位を取得しました。

彼は、一文字も科学論文を書いたことがないまま、「博士」となったのです。

目論見通りになった教授は喜び、

私は自分がやった仕事が他人の実績になることに対するやるせなさと、研究倫理に反した罪悪感に駆られ、

もう絶対にゴーストライティングはやらない!と心に決めました。

最近、以下のような記事を見つけて、

自分が研究者としてやってはいけないことをやったんだなと、改めて感じました。

研究の世界のゴーストライターについて

https://lne.st/2014/02/10/ghost/

これからは、

やらない!

させない!

論文ゴーストライター!

という気持ちでやっていきます。

みなさんも、ゴーストライティングを強要する指導者(教授)にはお気をつけを!

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