とある大学の理系研究室に所属する大学院生が、「うちの研究室、ここがおかしくね?」と思ったことをつらつらと書いていきます
こんにちは、大学院生の工藤です。
私は現在、大学院博士課程の2年で、大学の生命科学系の研究室に所属しています。
(博士課程は基本的に3年で卒業)
うちの研究室はいわゆる「放置系研究室」です。
進捗報告会や輪講は無い。
研究テーマは、上(教授)から降りてくることもあれば降りてこないこともある。
院生の研究テーマが1年経っても決まらない、なんてことも珍しくありません。
今回は、そんな「放置系」らしさを象徴するような教授の発言をご紹介します。
それは、ある日のお昼時
教授(A先生)と何人かの院生が研究室で昼食を取っている時でした。
その日は、教授はわりと機嫌が良く
自分の大学院生時代の話を始めました。
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30年近く前のおはなし
当時、若かりし教授は博士課程の大学院生だった。
所属していた研究室の教授(F教授)は、日本のその分野では比較的著名であり、原稿執筆を依頼されることが多かった。
F教授は、原稿の締め切りが迫ると、大学の近くのホテルにこもり、執筆活動に集中することがあった。
そんな時は、F教授から研究室にたびたび電話が入るのだそうだ。
「〇〇と〇〇という本を持ってきてくれ」
というように。
電話を受けた大学院生は、F教授に支持された文献を研究室からホテルに持って行く。
ある日、そんな電話を受けたA先生(当時大学院生)は、支持された文献を持ってホテルに行くと、
F教授が
「ちょっとコーヒーでも飲んで行くか?」
と言い、2人でホテルの喫茶店に行ったそうです。
A先生(大学院生)は、F教授と一対一で話せるチャンスだと思い、自分の進めている研究のことを相談したそうです。
「△△という研究テーマで一年間取り組んでみたのですが、あまり面白い結果が出ないでいます。どうすればいいでしょうか?」
と、A先生が聞くと、F教授はじっと腕を組んで考え込み、
そして
「そういえば、T大学の〇〇教授が、□□という研究テーマが面白いって言ってたぞ」
とF教授。
その一言で、A先生の学位論文となる研究テーマが決まったそうです。
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と、昔話を話し終えたA先生は一言
「研究テーマなんて、そんなふとしたことで決まるもの。研究指導なんてそんなもんなんだよ」
自分がそういう指導を受けたから、下の世代にもそうする、ということでしょうか、、、。
A先生の、研究指導に対するスタンスが垣間見えた気がしました。
研究テーマが1年以上決まらない大学院生がいるのも頷けます。
「研 究 指 導 な ん てそ ん な も ん」
だそうです。。。
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